日照時間が日本一短い、美人を育てる秋田へ地方移住。「うつ」にならないための心構えと対策

高橋慶彦


MACHI LOG 東北編集長

地方移住のリアルを知りたければ、実際に移住した人たちに話を聞くのが一番良い。

先日、秋田県で暮らして2年になる転勤族の40代男性と話す機会があった。

自分の場合は、故郷も日本海側にあるため、寒さと雪にさえ慣れれば、秋田は凄く良い場所だと思います。ただ、私の妻は、故郷が太平洋側の人なので、気候的に秋田で暮らすのは難しいと思い、呼び寄せるのを止めました。秋田は、曇りが多く、カラッとしていないので。

「秋田美人」という言葉が一般化し、色白で肌のキレイな美人が多いというイメージの秋田県。その要因の1つとして、秋田の気候環境が挙げられる。

日本一の環境で育つ秋田美人

秋田に美人が多いとされる理由は、諸説ある。

ヨーロッパ・ロシアの人たちが秋田に移り住み、秋田県人がそのDNAを受け継いでいるという混血民族説。江戸時代に佐竹藩主の佐竹義宣が水戸から美人を引き連れ、逆に秋田にいた器量が良くない女性を水戸へ送り出した美人移住説。そして、秋田県の気候が影響しているという気候環境説だ。

今回は、この気候環境説に着目してみよう。

日照時間が日本一短い

全国の県庁所在地で比較した際、秋田県秋田市は日本で最も日照時間が短い。この結果については、冬に曇りや雪の日が多いことが影響している。

全国平均 1,897.4時間、1位の山梨県 2,183.0時間、2位の高知県 2,154.2時間、3位宮崎県 2,116.1時間という数値に対して、秋田県は1,526.0時間と日照時間が短い。(県庁所在地という条件を外すと、山形県新庄市の1323.0時間という数値が最も低い。)

日照時間が短く、特に冬は室内で過ごすことが多いため、紫外線の影響を比較的受けにくく、色白・美肌というイメージが定着しており、それが「秋田美人」の要因となっている。

晴れの日が日本一少ない

日照時間と相関関係のあるデータとして、晴れの日(晴天:雲量が2以上8以下の状態)の数においても、全国の県庁所在地の中で秋田県秋田市は最も日数が少ない。

全国平均 217.6日、1位の香川県 249.5日という数値に対して、秋田県は158.5日と少なく、雲量が1以下の状態の快晴を含めても、365日中170日しか晴れている日が無いのだ。

気候がメンタルヘルスに影響?

このような天候は、憧れの「秋田美人」を生み出している一方で、マイナス面もある。

宮崎県や高知県のように、日照時間が長い割に自殺率が高い地域も存在するため、秋田県の自殺率が高いことと天候の関係性には疑問が残るところだが、日光に当たる時間の少なさは「季節性感情障害」や「冬季うつ病」の要因として指摘されている。

秋田県のように日照時間が短い場所への地方移住の際は、そこで暮らした際に起き得ることを事前に把握しておくのが良いだろう。

引きこもりになりがち

日照時間が短い雪国では、特に冬の間、外に出るのが億劫になり、引きこもりがちだ。

基本的に交通手段は自家用車になるが、出発前に家の前や駐車場の雪をよせ、車に積もった雪を落とさなければいけない。また、家を出た後も吹雪や暴風により、数メートル先が見えないホワイトアウトに遭遇することもよくある。

2年ほど暮らせば、それも当たり前になり慣れると思うが、最初は意識的に外出するようにした方が良い。(猛吹雪・暴風の際は、危ないので極力外出を控えよう。また、地元民に聞いて「吹き溜まり」が出来やすい道は避けよう。)

洗濯物が乾かない

天候がもたらすストレスは、日常生活の中にも表れる。その小さなストレスが積み重なると、精神的にあまり良くない。

例えば、旦那さんが秋田県出身で、結婚や出産を機に秋田へ移住してきた奥さんの愚痴を聞くと、身近なストレスとして「洗濯物がなかなか乾かない」ということが挙げられていた。特に、奥さんの出身地がカラッとした気候の場合、尚更そう感じるようだ。

この問題に関しては、除湿機や浴室乾燥機などを活用する方法がある。夫婦での移住を考える際は、このような日常の問題をどう解決するのか、事前に想定・検討しておくと良いだろう。

地方移住の引きこもり対策

地方へ移住したのなら、あまり引きこもって「うつ」にならないよう、今までできなかったことにチャレンジしてはどうだろうか。その地域独自の文化やアクティビティに触れるのも良いだろう。

ストレス発散できるものを探す

スキーやスノーボードなどのウインタースポーツに挑戦するのもオススメだ。スポーツが苦手な人は、子どもと一緒にソリ遊びや雪合戦をしたり、雪の中で寝転んだりするだけでも、かなりストレス発散になる。何も無い新雪に、埋もれるのも気持ちが良い。

インドアでも、一軒家であれば周囲への騒音を気にせず、映画を見たり、音楽を聞いたりできる。逆に、周囲の騒音がほとんど無いため、読書や趣味に没頭することもできるだろう。

地域コミュニティへの参加

最初の内は、方言に慣れず大変かもしれないが、地域コミュニティへの参加も良いだろう。地域にある大人のサークル的な活動は、自治体の広報誌を見たり、公民館に行って聞いたりすれば見つけられる。なかなか若者が参加しないため、かなり歓迎されるはずだ。

また近年、地元の若者が地域を元気にしようと様々な交流イベントや勉強会を開催しているので、そのようなものに積極的に参加すると、比較的ポジティブな人間関係を早くに構築できるだろう。

様々なコミュニティにまずは参加してみて、自分に合わないと感じたり、ストレスになったりするようであれば、別のコミュニティに参加してみると良い。しがらみの無いソトモノの特権を活かし、自分がワクワクできるコミュニティを見つけ、幸せな移住生活を過ごしてほしい。

きっと1人ぐらいは、共感できる人に出会えるはずだ。若者の意識に変化が生まれ、地方は少しずつおもしろくなってきている。

参考データ

□秋田地方気象台ホームページ
□気象庁(1981年から2010年のデータから平年値を算出)

ABOUTこの記事をかいた人

高橋慶彦

東北から、地方の魅力を世界に伝える。広告代理店・印刷会社の代表取締役。PR・販促支援で企業・官公庁の実績多数。地域PR・商品開発・上場企業のマーケティング支援・東北の起業家のブランディング。TOHOKU 2020 主宰/秋田移住計画 主宰/東北イノベーション大学 学長




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東北から、地方の魅力を世界に伝える。広告代理店・印刷会社の代表取締役。PR・販促支援で企業・官公庁の実績多数。地域PR・商品開発・上場企業のマーケティング支援・東北の起業家のブランディング。TOHOKU 2020 主宰/秋田移住計画 主宰/東北イノベーション大学 学長