小商いで稼ぐ。4つの不安を解消し「好き」を仕事に生きる方法

2017年に、NHKをはじめテレビや雑誌で多数紹介され、地域づくりの成功事例として話題になった宮崎県の渡川(どがわ)地区。

人口たった350人程度のこの地区では、“チャレンジする精神”が確実に芽吹きつつあります。

その渡川を舞台に、「自分らしく生きる力」を学ぶ里山学校が開講しました。

第1回目の講師は、横田いたるさん。「渡川、ホンマええとこですねぇ!」関西弁の大きな声に会場が包まれ、講座が始まりました。

渡川はすでに”今”が魅力的

「質問の量が多いので、これから始めますね」とまずは、会場にあらかじめ配られていたポストイットを読み始めた横田さん。講座はいつもフリースタイルとのことで、今回は、約40名の参加者からの質問に答える形で始まりました。

渡川の魅力は?という質問が来てますけど…すでに”今”が魅力的です!この場にこれだけの人が集まってるということが本当にすごいと思います。あと、あらゆる400人レベルの地域で、これだけ全国区になっている地域ってないと思うんですよね。

その理由は二つあると思っていて、一つは「実際に事業をして実績をあげている人がいる」ということ、二つ目は「Uターン者がUターン者を引っ張ってきている」という構図です。これは本当に珍しいことだと思います。

人は“楽しそうなところ”に集まる

Uターン者として横田さんが例に挙げたのが、もともと福岡で保育士をしていた今西猛さん。

Uターン後に山師となり、その後兄の正さんも福岡からUターン、そして現在はIターン移住者も受け入れて林業を営んでいます。

人っていうのは楽しそうなところに集まるんですよ。なんかスゴなってんねん!仲間になってくれへん?という雰囲気が大事なんです。

“楽しそう”な雰囲気が、渡川全体に感じられると言う横田さん。

日経新聞にも取り上げられた、どがわマンマの活動にしても、まさに、「好き」が仕事になっている人が多い地域だというのです。

「4つの不安」について

しかし、「好き」を仕事にしたいと思った時、そうは言っても…と二の足を踏んでしまう人も多いのではないでしょうか。横田さんは、人がためらう根源には「不安」があると言います。そしてそれは4つのステージに分かれるのだとか。

1. 存在の不安
→自分が存在していいんだろうか?という不安

2. 挑戦の不安
→挑戦することに対する不安

3. 価値の不安
→商品やサービスに価値をつけて売ることへの不安

4. 好きなことで生きる不安
→「好き」が仕事になるのか?という不安

横田さんは、1のステージにいる人には、「安心して自分を表現できる場」を、2のステージの人には「挑戦に対する自信と、失敗してもいいという安心感」を、3のステージにいる人には「自分の頑張りを受け取ってもらっているというポジティブイメージ」を持とう、と言います。

そして4「好きなことで生きる不安」を持っている人に対しては、「これからは、好きなことでしか競争力が得られない時代になる」と断言します。

国語と算数どちらが好き?「好きなこと」を商売にするということ

これからは、好きなことでないと競争力は得られない時代になります。歯を食いしばってやってきたことって、だんだん減ってきてませんか?

例えば、洗濯。前は手で洗っていたのが、今は乾燥まですべて機械がやってくれるようになりました。人は不便や困ったものは減らしていくんです。

今、それが技術的に可能な時代になりました。その中で、自分たちの付加価値が問われる時代が来ています。人間が人間らしい成果を求められる時代になったんです。

さらに、「好き」を仕事にすることがいかに大事か。面白い例を出して説明してくれました。

(会場を見渡して)このなかで、数学が得意な人?(会場まばらに手が上がる)じゃあ国語が好きな人?…なるほど、国語が得意な人の方が多そうですね。

例えば、国語が好きなみなさんが数学を10時間勉強しなさいって言われたら、どうしますか?たぶん、9時間くらい文句言って過ごすと思うんですよ(笑)。

嫌いやし、やる気は起きないし、一問といてサヨナラ~みたいな。でも逆に、国語を勉強しなさいって言われたら、結構やると思うんですよね。苦手意識もないし、より質の高い勉強ができる。テンションもそんなに下がらず時間を過ごせるはずなんです。

それは、仕事に関しても一緒なのだと横田さんは言います。

そこに座ってる菅原さん、昆虫がめっちゃ好きらしいんです。菅原さん、僕にクワガタの話をするとき、本当にニヤニヤしてるんですよ。

このニヤニヤがすごく良い。これが大事なんです。1割すごいね、9割気持ち悪いねっって言われるくらいが、商売になるかならないかの境目だと思っています。

「いい趣味だね」と言われているうちはお金になりません。好きだからこそ、他の人が追いつけないところまで行けて、その結果、付加価値が高まってビジネスになるんです。

光の速さで失敗しよう!

では、「好き」を見つけて実践し始めている人には、どんな悩みがあるのでしょう?参加者からは「生み出した商品をヒットさせるコツは?」という質問が出ました。

とにかく、失敗を怖がらないことです。

僕はいつも”光の速さで失敗しよう!”と言ってます。やった!はい!失敗した!くらいの速さです(笑)。

あまり考え過ぎずに、やれることをすぐやることです。今日、何かを生み出したなら、明日すぐに食べてもらったり、見てもらったりしましょう。

そして、相手の反応を見ればいいんです。何度でもやり直したらいいんです。そのうちに良いものが出来あがります。全く怖くありません。

この“すぐやる”は、講座の中で一番出てきた言葉かもしれません。とにかく、失敗を恐れずにやる。失敗なんて大したことではない、と横田さんは繰り返し言います。

あとは、“お客さんを徹底的に想像する”ことです。どんなお客さんが、どこで、誰と、どんな話をしながら、封をあけるのか?まで想像する。

どんな気持ちで食べて欲しいのか?見て欲しいのか?を徹底的に考えましょう。

適正価格は外に出ないと分らない

また、“値決め”の難しさについても質問が。これについては、まず外に出よう!と横田さんは言います。

まずは、外に出て、名刺交換をしましょう。もうコンテンツは揃ってるんだから、常に100枚くらい名刺持って、ちょいちょい渡しといたらいいんですよ。そのうち疲れた若者が来ます(笑)。

まずは外に出ていくことです。地域でどんなに議論しても、地域の適正価格はわかりません。魅力は堂々と発信する方がいいんです。ほんまの魅力はちゃんと発信して、きちんと売っていきましょう!

「好き」を仕事にするなら、周りをどんどん巻き込もう!という横田さんのメッセージ。

会場からは、なるほど…という声が漏れていました。

みっちり2時間ノンストップで行われた講座は、終始、熱気と笑い声に溢れていました。

他にも、人の巻き込み方や、リーダーシップ論、市議会議員時代の話などで、会場は大盛り上がり。

「ためらっているひとの背中を押す」という横田さんの熱意が伝わる、パワフルな講座が展開されました。

寄稿:岩村明子

【募集中】茨城県北ローカルベンチャーラボ2019ー地域おこし協力隊の制度を活用した起業支援




関連記事一覧