1杯200円、秋田のうどんそば自販機。地方の高齢化と地域資源の活用

ネット・メディアで話題になっている、秋田のうどんそば自販機。

人々に愛され続けてきた自販機は、本日(3月末日)お店の廃業と共に役目を終えるはずでした。しかし、その自販機は新たな場所で稼働し続けることとなりました。

約45年間、人々のために働き続けた自販機たち。その在在は、人々の心を動かし、未来をも変えてしまったのです。

1杯200円、秋田のうどんそば自販機

【伝承:佐原商店の最後の日】秋田市土崎の佐原商店さんが、今日3/31(木)をもって閉店します。NHKの「ドキュメント72時間」で紹介された、うどん・そばの自販機。港風に吹かれながら、いつも来る人を迎えてくれました。自販機は、セリオンが目印の道の駅「あきた港」へ継承されます。詳しくはこちら:http://www.selion-akita.com/event/selion/1061

あきたびじょんさんの投稿 2016年3月30日

秋田県の西部に位置し、日本海の望む秋田港の近くのお店で、その自販機は働き続けていました。

1958年創業の佐原商店で1971年に設置されて以来、自販機の世代交代をしながら24時間営業。

200円を投入すると約20秒で出てくる温かいうどんが、250食以上売れる日もあった。

□出典:産経ニュース

地域に密着したうどんそば自販機は、2015年3月にNHKで放送された「ドキュメント72時間 秋田・真冬の自販機の前で」によって全国から注目を受け、遠くは大阪からも来客があったと言います。

地域の声と店主の想い

自動販売機とは言え、店主は補充作業を行う必要がありました。

昼時には行列ができ、季節を問わず毎日100杯ほど売れる。佐原孝夫社長(73)と弟の澄夫店長(64)が朝昼晩の3回、プラスチックの容器入りのゆでた麺とかき揚げを補充する。

□出典:河北新報オンラインニュース

加えて、長年使うと機械には故障がつきもの。つゆが温まらない、つり銭が出ない、湯切りがうまくできない、おまけに自販機は現在生産中止状態。

毎朝食べに来る近所の住民や長距離トラック運転手らから「楽しみがなくなるので、なくさないでほしい」との声が寄せられた。

□出典:河北新報オンラインニュース

そんなお客様の声を受けて、店主の佐原社長は修理や台替えを繰り返し、営業を続けてきたと言います。

高校生のころよく食べに来た世代が、子どもと麺をすする姿を見ることもある。「ここに来れば、100円玉2枚で心も満たされるのかもしれない」と佐原社長。

□出典:河北新報オンラインニュース

地域に密着し人々に愛され、その声に応えようとする店主の想いの積み重ねが、うどんそば自販機を支えてきたのですね。

店主の高齢化と自販機の行く先

Selion full viewポートタワーセリオン

そんな佐原社長も、73歳。高齢を理由に、3月末での廃業を発表されました。同時にそれは、うどんそば自販機が無くなることも意味していました。

それを機に、別れを惜しむお客さんが行列を作るようになりました。その様子は、ネット・メディアでも取り上げられ、新たなファンを呼び込みました。

その動きを受け、多くの方から譲ってほしいという声が寄せられたようです。結果的に、うどんそば自販機は別の場所で稼働することが決まりました。

元あった場所からすぐ近く、ポートタワーセリオンを中心とする「道の駅あきた港」に設置され、4月上旬に稼働を再開するようです。

自販機は屋内緑地公園「セリオンリスタ」に置かれる予定だ。佐原商店では夜間に体を温める人が多かったが、セリオンリスタの開館時間は午前9時から午後6時。

□出典:産経ニュース

やはり、「何もかも、これまでと同じ」というわけにはいかないのです。

地方の高齢化と地域資源の活用

今回のニュースを見て、うどんそば自販機の行く末だけではなく、経営者の高齢化を理由とした廃業という点にも注目すべきだと感じています。

人口減少による市場の縮小、少子高齢化による後継者の不在。地方のローカルビジネスにおいて、倒産ではなく廃業という選択がまだまだ増えていくでしょう。

「無くなる前に、地域資源を活かし、新たな価値を生み出す方法を考える」という意識を高めていく必要があります。

決して悲観的になるのではなく、きちんと現状を受け止めて分析し、より良くするための知恵を出し合い、次世代に誇れる未来をつくるために行動することが大切だと、私は考えています。

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