鹿島様、村を厄災から守る神-秋田/県南

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車で道路を走っていて、突然これが目に入ってきたら驚くかもしれません。

道路の横に立っている、藁で作られた巨大な人形。これは、秋田県人が代々継承してきた文化です。

秋田には、民俗信仰の文化が数多く残っています。ご紹介した写真もその1つ。邪悪な存在や人を苦しめる疫病などから、集落とそこに住む人たちを守ってくれる神、鹿島様(かしまさま)です。

秋田の民俗信仰:鹿島様

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鹿島様は、人形道祖神の1つです。

道祖神とは、集落の境や坂の起点などに配置された道の神様で、何かの始まりや終わりの場所に神様を配置することで、古くから人々は、自分たちの安全を守ろうとしました。

よそ者や悪霊、穢れている体の人、疫病などの侵入を防いだり清められると考えられてきました。又、様々な民俗信仰と混合し、岐の神などの道中安全や子孫繁栄(男根などが強調される理由の1つ)、縁結びなども信仰の対象となりました。

□出典:秋田人形道祖神(民俗学)

医学や科学の知識が無い昔の人にとって、鹿島様は、自分たちの身を守ってくれる大切な存在だったんでしょうね。そして、それが文化となり、今でも鹿島様は地域の人から大切にされています。

鹿島様の特徴

□体:藁
 ※一部、顔が木面も存在
□高さ:2〜4メートル
□重さ:80〜160kg
□場所:集落の入り口が多い
□歴史:不明
 ※江戸時代後期の記録あり

秋田県と鹿島様

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東日本を中心に、人形道祖神を祀る文化は残っていますが、秋田県はその中でも特異と言えます。

人形道祖神は主に東日本の民俗信仰として残っているのですが、これだけ多くの種類や数があるのは他県にはなく秋田県の誇れる文化的財産と云えます。

□出典:秋田人形道祖神(民俗学)

秋田県内には、鹿島様以外にも様々なタイプの人形道祖神が存在しています。鹿島様は、秋田県の南部に多く見られます。

幼少期の思い出:鹿島送り

私の生まれ故郷は、秋田県横手市雄物川町
薄井という地域です。幼少期、鹿島送りというものを行いました。

30cmぐらいの小さな人形(鹿島様)に、紙で作った鎧を着せ、顔を筆で書き、お餅と5円玉を背負わせます。そして、集落に住むみんなで集まり、「厄災を持って行ってください。」と祈りながら、近くの川に流すのです。

毎年7月に行っていました。帰り道、川で光る蛍が見えたのを今でも覚えています。

最後に:地域と文化

このような文化も、集落に子供が少なくなると、徐々に途切れていきます。

私の実家がある集落も10戸程度しかなく、現在、子供は一人もいません。鹿島送りの文化も、かろうじて残っている状況です。人口が減るということは、文化の継承が途絶えるということ。

もし、それを避けたいと本気で考えるならば、自ら行動を起こす必要があります。次世代に誇れる未来をつくれるのは、今を生きる私たちだけです。

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