宮崎県の中央部に位置する人口約17,000人のまち、新富町。
広大な農地を有し、ピーマン・キュウリ・マンゴー・ライチなど様々な作物が取れる日本有数の農業地域で、新たなチャレンジが次々と生まれている。
地域の資源を活かし、地域の課題を解決するビジネスを小さく始める「ローカルベンチャー」の事例。空き店舗をリノベーションしてできた場を活用し、古民家風のカフェがオープンした。
店主の田村優美子さんは、これまで飲食店の経営をしたことがない主婦だ。
空き店舗をリノベした古民家カフェ「78」
宮崎県新富町の空き店舗をリノベーションし、オープンしたカフェ「78(ナナハチ)」。
古民家風の和室では、ゆっくりと時間を過ごせる。小さい子どもと一緒に、家族で行っても、食事が楽しめそうだ。
テーブル席は、とてもオシャレ。一緒に訪れた女性の方々も、すごく素敵な場所と声を揃えていた。
4月末にオープンしたてで、ランチもメニュー限定。新富町産の食材、農業を営む田村さんの家の野菜などを活かした「週替わりランチ」と「カレー」が食べられる。
今回いただいたのは、週替わりランチ。品数も多く、彩りも鮮やかだ。まだまだ不慣れなため、大人数で行くと少し待つことになるかもしれないが、料理はすごく美味しそう。
このリノベーションを手掛けたのは、新富町のまちづくりに取り組む「一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(略称:こゆ財団)」。2017年4月に新富町の観光協会を解体して設立され、2017年の『月刊ソトコト10月号」の表紙・特集にも掲載された、全国から注目を集める地域商社だ。
事務局長の高橋邦男さんが、カフェオープンに至るまでの経緯を教えてくれた。
昨年10月に、地域の人たちが集まれる古民家カフェをつくろうと、新富町内外からボランティアを募り、参加者と一緒にDIYを行なった。空き店舗を使える物件として蘇らせ、新たなビジネスにチャレンジする人を増やし、地域を活性化する取り組みだ。
これまでの想いや行動のお話を聞くと、ますます料理が輝いて見えてくる。これまで主婦として、家庭を支えてきた田村さんの料理は、本当に美味しい。
自家農園で取れた葉物を中心とした、新鮮なサラダ。野菜がふんだんに使われたランチは、美味しいだけでなく体にも優しい。
小鉢がたくさんあって、色んな種類の料理を食べられるのも嬉しい。こちらの煮物に使われている牛肉も、宮崎産。
宮崎・新富は、美味しいピーマンと地鶏の産地だ。地元産のピーマンと地鶏を活かした酢豚ならぬ「酢鳥」も、ご飯がすすむ。
美味しい料理の後は、デザート・ドリンクもしっかり提供される。美味しいだけでなく、ボリューム的にも大満足のランチだ。
小さいビジネスで地域が動く
「こゆ財団」が空き店舗をボランティアと一緒にDIYし、活用してくれる人を探していたところに、田村さんが手を挙げた。
これまで、飲食店経営の経験も無く、全てが手探りだという。でも、そこにあるのは不安よりも、楽しいと話してくれる笑顔だった。家族や周囲の人に支えられながら、ずっと夢だった自分のお店をオープンした田村さん。
このカフェのような小さなビジネスが、持続可能なビジネスとして増えていけば、地域はもっとハッピーになる。宮崎県にある小さな町で、ワクワクの種がまた1つ芽を出した。
宮崎のランチが美味しい古民家カフェ
ごはんとカフェ 78(ナナハチ)
□住所:宮崎県児湯郡新富町三納代2381-1
MAP
□電話:090-9409-0082 ※要予約
□アクセス:
・三納代バス停前すぐ
□営業時間:
・ランチ:11:00~14:00
・カフェ:14:00~不定
□定休日:不定休