東京都千代田区神田錦町。この街にどんなイメージをお持ちでしょうか。
世界一の古書店街や純喫茶文化が根付く昔ながらの文化的なイメージ。
一方でオフィスビルがあり、働く人の街というイメージの方も多いでしょう。
人によってイメージが異なるであろう神田錦町界隈が、少しずつ未来に向けて変わろうとしています。
住友商事が街づくりを進める
主導しているのは、大手総合商社の住友商事です。商社が街づくりに進出する理由はどこにあるのでしょうか。
住友商事が進める神田錦町界隈の街づくりで、主にイベントプロデュースや地域コミュティ活動をおこなっている住商ビルマネージメント株式会社街づくりチーム河原田保彦さんにお話をうかがいました。
行きたい・住みたい・そして働きたい街へ。神田に魅力を加えていく
神田錦町界隈は新旧の文化が入り交じった街。その街の魅力を多くの人に伝え、賑わいを作り出します。
と、河原田さんは言います。
現在、住友商事が進めている街づくりのコンセプトは、「行きたい・住みたい・そして働きたい街」というもの。
神田錦町の魅力を街づくりに活かす
神田錦町の古くから続く文化を大事に、街の人と一緒に街づくりを進める事で、神田錦町でしか体験できない独自の魅力を作り上げています。
2020年春に誕生する大型複合施設も建設中となっており、少しずつ街に変化が始まっています。
神田錦町界隈に密着した地域の企業がリードする「プレイフルストリート」
街の新しい取り組みとして7月23日に開催されたのがプレイフルストリートです。
神田錦町界隈の12企業と地元の高校、総勢13団体が集い、子どもたち向けに、体験型のプログラムを提供する1日だけの特別イベントです。
発起人となった河原田さんは、このイベントの狙いとして「この街にない要素を探して、それが必要なものであれば楽しく作る」という想いを大事にしたと語ります。
神田錦町界隈の日常ではほとんど見ることがない、親子で街に足を運ぶきっかけとなる場を作りたかったんです。
この街がこうなってほしいというような、企画側の想いは大事ですが、お客さんには押し付けたくありません。
まずはお客さんがイベント自体に関心を持ち、足を運んでくれるようなイベントを作り、結果的に街の魅力も体感して帰って頂くことを考えました。
教育が変わる時代。街から21世紀の学びを作る
神田の街は、働きに来るだけの人が多く、土日になると人も減ってしまいます。
「行きたい街、住みたい街」にどうしたら繋げることができるか。
その切り口のひとつとして考えたのが、「子どもたちを応援していきたい企業がある街」です。
このイベントは、決して大企業がリードして作ったイベントではないです。
神田錦町界隈の企業が集まって、「こういう街にしたいよね」という思いを皆で共有して作っています。子どもをテーマにイベントを開催したいと声をかけた時、多くの企業からすぐに賛同いただく事ができました。
そして地元の高校のビックバンド部も参加するなど、神田錦町界隈で働く人たちのマインドを多くの方に感じて頂く機会を作る事ができ、とても意義あることだと思っています。
子どもの夏休みの宿題に家族連れが集う風景をつくる
神田錦町界隈の街づくりは、地域に根ざした企業が、大企業と共に作りあげていくという点で、既存の大規模な都市計画と異なっているといえるでしょう。
今回のイベントも、「家族連れ」の姿が日常に見られないからこそ、子どもを中心にすることで、働く場所としての神田錦町以外の目線で、大人にも街に足を運んでほしいという思いがあるようです。
街の隠れた魅力を発見する機会に
一見、子育てのイメージが薄そうな神田錦町界隈に、これだけの子どもや教育に関する事業を行う企業があることも、この街の潜在力を物語っているといえるでしょう。
夏休みの宿題にもぴったりのイベントとなる「プレイフルストリート」。
次回は来年の夏を予定していますが、今後も小さなイベントを不定期で開催予定との事。
子どもと一緒に休日は神田錦町界隈の街にでかけませんか。