福井県はものづくり王国として知られています。
伝統工芸の多くが息づき、古くからの技術を今に伝えています。
しかし同時に、市場の縮小や、担い手の減少などが要因で、多くの伝統工芸が消滅の危機に直面しています。
寝る間も惜しんで笑顔で働く
福井県の伝統工芸をPRする活動を行っている方に、森田裕士さんがいらっしゃいます。
伝統工芸のひとつである越前漆器の蒔絵師として活躍する父にもち、幼い頃から伝統工芸に親しんできました。
父親の働いている姿といえば、寝る間も惜しんで働く姿です。どんなに厳しい納期でも守るんです。一度「大変dえしょう?」と聞いたことがあるんですが、「大変やけど、好きやからなぁ」とニコッと笑顔だったんですよね。
子どもが巣立ち、伝統工芸士へ
森田さんは、そんな父を世界一尊敬しているといいます。
大変さを決して表に出さず、大好きな仕事に向き合う父親の姿から、働くことに向き合う姿勢を学んだと森田さん。
父は、昨年念願の伝統工芸士の認定試験に合格し、名実ともに伝統工芸士として活躍できるようになりました。
父の確かな技術で手掛けた商品を世に広めたいと、強く思っています。
親父への恩返し。世界に羽ばたかせたい
森田さんの思いは、伝統工芸を盛り上げるという人生をかけた取り組みに結びついています。
越前漆器だけでなく、福井県の伝統工芸はどれも課題に直面しています。だからこそ、自分にできることで貢献したいと思うんです。
森田さんは現在、福井県の伝統工芸を映像としてまとめ、世界に魅力を発信しようと奮闘しています。
これは生まれ故郷の福井と、育ててくれた父親や伝統工芸への恩返しです。
常に挑戦し続けることで、伝統工芸を未来に繋げる結果になればと願っています。
森田さんは、クラウドファンディングで資金調達を行っています。故郷を思う気持ちが、挑戦を後押ししています。