月を愛でる習慣は古く、日本では縄文時代からあったと言われています。
現在ではスーパームーンの日にお月見をする人も増えたのではないでしょうか。お月見といえば良く知られているのが「十五夜(じゅうごや)」。旧暦で8月15日を指し、穀物の収穫の感謝を表したお団子、ススキを飾り月見の夜を楽しみます。
なんとも風流なこの習慣ですが、実は十五夜の夜限定で、子供だけの楽しみ方があります。そんな地方の十五夜についてまとめてみました。
お供え物は盗んでもおとがめなし!
お月見でお供えされるものといえばお団子。それ以外にも、お芋や栗、柿、里芋などが供えられます。
これらのお供え物、子供は盗んでもOKとされました。地域によってはお供え物だけでなく、この夜だけ、庭になっている柿や梨・栗を盗んでも良いということになっているようです。
お団子やフルーツ?いえいえ今はお菓子です
ある地方では子供たちが「十五夜ください」と近隣の家を訪ね歩き、お供え物をもらうという風習もあります。現在ではお団子やフルーツではなくお菓子を玄関先に準備して迎える人の方が多いようです。まるでハロウィンみたいですね。
強者はお金も...
お菓子の準備を忘れてしまった!という家では一人あたり5円とか10円とかお金を渡すこともあるとか!
消えいく風習のひとつに...
子供たちが家々を廻り、それを大人たちが出迎え地域全体で十五夜を祝う。今では家を訪ねる子供たちも減り、かつてのような光景を見ることは少なくなっているようです。
実は私も「十五夜ください」の風習が残る地域で生まれ育ちました。昼間にしか会わない学校の友人たちと夜に出歩くことからわくわくドキドキが始まり、用意した袋がお菓子でいっぱいになっていくことに、そして訪ねた家々の大人たちが笑顔で快く迎えてくれることに日常にはない高揚感を味わえる貴重なイベントでした。
当時は「十五夜ください」の意味も、なぜお菓子をもらい歩いているのかも分かっていなかったと思いますが、地方に残る古くからの風習、形だけでも語り継いでいけたらいいですね!